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ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 様 【テストプロセス構築支援サービス】

導入事例 Vol.05 ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社

大手 FTTH 対応プロバイダーのソネット株式会社が社名を変更し、2016年7月1日にソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社になりました。従来の通信事業に加え、ソニーグループ内でクラウドサービス、IoT を中心とした新規事業展開力、サービス事業の企画・運用力をより強化し、新たな価値の創造とさらなる成長を目指しています。
2015年頃からアジャイルに取り組む同社クラウド&サービスアプリ開発運用部門 SQA 部 部長 鈴木 敦氏、同1課 課長の中村 武史氏に、シーイーシーの「テストプロセス構築支援サービス」を導入した経緯と効果を詳しく伺いました。

導入前の課題と導入後の効果

“人に依存しないエンジニアのマルチ化を理解し、具体的に現状分析、実現プランを示してくれたのがシーイーシーでした。”

導入前の課題

  • 業務量変動に課題
  • 各プロジェクトでバラバラだった「プロセス」と「KPI」

導入ポイント/導入効果

  • リリースまでのゴールが明確化
  • テスト要求変更や業務量変動を吸収できる仕組みの構築
  • 品質・コストを変えることなく、テスト要求変更に追従できる範囲が拡大
  • 納期の遅延が大幅に減少

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導入の背景

-今回、シーイーシーにはどんな依頼をされたのでしょうか。

当社が展開するアジャイル開発のプロジェクトにおいて、テスト工程のプロセス構築支援をシーイーシーに依頼しました。導入前後は以下の図のようになります。

図1 テストプロセス構築支援サービス導入前後の比較

図1 テストプロセス構築支援サービス導入前後の比較

図2 アジャイル開発のテストプロセスイメージ

図2 アジャイル開発のテストプロセスイメージ

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アプリケーションとクラウド連携システムの品質保証

-部門の役割とアジャイル開発への取り組みを教えてください。

部長 鈴木 敦 氏
クラウド&サービスアプリ開発運用部門
SQA 部 部長 鈴木 敦氏

  我々の部門は、例えば、テレビ番組の操作や録画予約などがスマートフォンで行える「Video & TV SideView」のようなサービスに対し、アプリとクラウドで動いているバックエンドシステムの両面を評価し、品質保証する役割を担っています。
  スマートフォン向けのサービスは、今までのテレビ、ビデオなどのデバイスと呼ばれるような大型の組込みソフトウェアと異なり、一つひとつのプロジェクトの規模が小さいという特徴があります。1~2カ月程度の短いサイクルでリリースするプロジェクトが多いため、これまでのウォーターフォール型のプロセスでやろうとすると小回りが利きません。特に変更管理を行うときのプロセスのハンドリングが難しいと言えます。
  ウォーターフォールではあらかじめ全体の機能設計を行ってから実装していくため、テストで不具合が発覚すると、下流になるほど手戻り工数が大きくなり、開発途中での仕様変更が困難となってしまいます。そこで2015年の初頭から、アジャイルに取り組みました。アジャイルでは、例えば2週間のスプリント中は要件変更をせずに進めることで、手戻り工数を最小限に抑えつつ、仕様変更もチーム内で管理しやすくなります。開発のゴールが読めるのがアジャイルであり、スマートフォン向けのネットワークサービスには適していると言えます。

テストチームの空き工数が課題

-「テストプロセス構築支援サービス」を導入した背景を教えてください。

アジャイルのような短いサイクルの開発では、要求変更の頻度や業務量変動が大きく、どうしてもテストに必要な工数の増減が多数発生してしまいます。例えば、「今週のテストには3名必要だけど、来週は5名、再来週は2名で十分」といった変動が頻繁に起こりえます。上流工程で問題が発生し、プロジェクトが止まってしまうと、テストチームに空き工数が発生してしまうこともあります。小さなプロジェクトの場合、それはそのままコストに跳ね返ってきます。
つまり、テストチームの空き工数をどう埋めるかが課題でした。

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導入から現在の活用まで

課題に対してシーイーシーが具体的な実現プランを提示

-シーイーシーを選択した決め手とは?

1課 課長 中村 武史氏
クラウド&サービスアプリ開発運用部門
SQA 部 1課 課長 中村 武史氏

当社は常に多くのプロジェクトが稼動している関係で、複数の協力会社との付き合いがあります。シーイーシーも以前から長い取引をしている協力会社の一つでした。これらの協力会社に求めたのは、同時に動いている複数のプロジェクトで包括契約を行い、テストのエンジニアが異なるプロジェクト間をフレキシブルに行き来できる体制(エンジニアのマルチ化)を構築することでした。
それができるようになれば、単一のプロジェクトで業務量変動が発生しても、複数プロジェクトの全体で吸収できるようになるということです。

避けたいのは、プロジェクト間の人員増減に対してスキル差が生じてしまうことです。エンジニアのマルチ化は、人に依存しない試みであることを理解し、具体的に現状分析、実現プランを示してくれたのがシーイーシーでした。将来を踏まえ、これだったら中長期的に上手くいくと思わせる提案をいただきました。

テスト工程のプロセスとKPIの共通化

-その具体的な提案・取り組みとは?

以下の取り組みにより、テスト工程におけるエンジニアのマルチ化を実現することができました。

取り組み1 人に依存しないプロセスの構築と共通化

エンジニアのマルチ化を実現するにあたり、まず取り組んだのがテスト工程のプロセスとKPIの策定および共通化です。当社のアジャイル開発では1アプリ1プロジェクトを基本として、時にはまったく別のプロジェクトに移動することもあります。その際、プロジェクトごとに別の基準で動いていては、新たなエンジニアが配属されても、慣れるのに時間がかかってしまい、結果的に効率が悪くなります。その点、プロセスを共通化しておけば、短時間で業務の中に入ることができます。またKPIを共通化しておくことで、当社のマネジャー層も判断がしやすくなります。

シーイーシーだけで独自に共通化を推し進めたのではなく、当社と協議を重ねながら決めていく姿勢も高く評価しています。KPI を例にすると、「工数当たりのバグ検出率」という指標を各プロジェクトで共通化する際に、工数にはテスト環境準備工数を含めるのか、インシデントの分析工数を含めるのかなど、当社のカルチャーやプロジェクトごとの特性を理解したうえでの提案をいただき、一緒に協議しながら策定することができました。



取り組み2 ブレが少ないオペレーション

要求変更や業務量変動が発生した際の、エンジニアのマルチ化におけるオペレーション部分を担っていただきました。このオペレーションは、各テストを実行するテスターのレイヤーまで降りて意思統一させなければいけないところで、当社が行うには人的負担や管理コストなどの面で難しいため、シーイーシーに担っていただきました。

具体的には、プランニングでの情報共有とデイリースクラムで状況をウォッチしながら、大きな変更があった場合、例えば“急に別の案件をテストしなければならない”となったときには「優先度を見極めたうえでシフトを変える」「どれを次のスプリントに回すか」など、状況に応じたオペレーションを行っていただきました。加えて、プロセスの共通化を推進していましたので、テスト工程における成果物にブレが少ない(誰がアサインされても近しいアウトプットになる)オペレーションを実現することができました。もちろん、テスト要求の変更にも迅速な対応ができることも分かりました。

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シーイーシーの評価ポイント

 評価1. 信頼できる品質検証実績・環境

シーイーシーは長年のソフトウェア品質検証の実績・ノウハウがあり、サービス領域が充実しています。また、検証センターに機材が揃っていることも評価ポイントの一つとなりました。
検証センター(宮崎台事業所)には、スマートフォン、フィーチャーフォン、PCや各種SIM、メディアまで、ソフトウエアテストや接続性検証に必要となる様々な機材を用意。AndroidやiPhoneの動作検証、BluetoothやIrSimpleの接続検証など、モバイルデバイスの各種検証に必要な機材を取り揃え、各キャリアのスマートフォンは全機種所有。

 評価2. 上流工程へのアプローチ

サーバー視点におけるAPI界面の自動テスト、品質傾向分析の設計工程へのフィードバックなど上流工程に対する品質向上支援を実行していただきました。これにより、手戻り工数が減少して効率的な開発が可能になりました。

 評価3. 非常駐化への取り組み

今回、テストプロセス構築支援サービスをお願いするにあたり、シーイーシーの常駐メンバーは半数程度、残りのメンバーは非常駐化(ニアショア)にする取り組みを行いました。スペースとコストの削減が直接的な理由で、オフィスのインフラをなるべく使わずにニアショアでスケーラブルに行う体制を構築したいと考えていました。データのやり取りに関しては、当社のセキュアな回線を用いて行っています。

ニアショア化へのチャレンジ

-スクラムとニアショアは相反するのでは?

おっしゃる通り、スクラムは本来、少人数が近くに集まってプロジェクトを完結させる手法です。スクラムといえば、要件をポストイットで貼って相手に伝えるというイメージがあるほど、開発者の横にテストエンジニアがいるのが当たり前なのです。つまり、スクラムでありながらニアショアを行うことは当社としても大きなチャレンジでした。

実際、隣にいる便利さを担当者が知ってしまうと、これを剥がすのは困難です。隣の席なら声をかければ済んでしまうところ、ニアショアになればスクラムボードのシステム上から、あるいはメールや電話という手段をとらないと要求を伝えることができません。このようにニアショアは非効率的な側面がありますが、工程分離という考え方の観点からみると、要求をクリアにする効果があります。近くにいすぎると要求があいまい、かつ多くなりやすく、どれを優先すべきかが分からなくなってしまう懸念があるのです。この場合、要求を受ける側も大変になります。これは要求を出す側である当社のレベル、つまり、要点をまとめて必要なことを的確に伝えるコミュニケーション能力を高める試みと言えます。

ただし、なにか緊急、かつ大きな問題が起きた場合には、早急に対面しなければなりません。1時間も2時間もかかる拠点では、時間のロスが大き過ぎますが、シーイーシーは20~30分で駆けつけていただける場所にニアショアと呼べる拠点があります。テストの際には、必要なときに必要な機材を検証センターから用意していただく仕組みも構築できています。

ニアショアの試みはシーイーシーにもメリットがあると伺っています。常駐してしまうとエンジニアマルチ化のマネジメントが難しくなりますが、ニアショアなら人に依存しないプロセスの精度を高めることができるようです。フレキシビリティを持ったマネジメント体制が構築でき、アウトプットのパフォーマンス向上にもつながるかと思います。当社としては、より柔軟な体制が組めるようにチャレンジし続け、その中でお互いがWin-Winの関係を築いていければと考えています。

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設計工程での支援も期待

-最後にシーイーシーにはどんなことを期待されていますか?

 上流工程での品質確保がこれから取り組んでいかなければならない課題です。アジャイルは設計とテストが短サイクルなため、上流と下流における差は少ないものの、やはり根本的な品質改善は設計にあると考えています。

シーイーシーには、優秀な設計・開発部隊があると伺っています。さらに、様々な会社との取引で培ったコンピテンスも蓄積されているかと思いますので、ぜひ当社に設計・開発ソリューション実績を踏まえた上流工程へのアプローチノウハウを提供していただきたいです。当社とシーイーシーが一緒にチャレンジを続け、その中でお互い利益になるものを探っていければ幸いです。今後も当社の支援をお願いします。

見たい番組をいつでも視聴。便利なリモコン付きテレビ番組表アプリ「Video & TV SideView」
  • 会社名:ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社
  • 本社所在地:東京都品川区東品川4-12-3
    品川シーサイド TSタワー
  • 設立:1995年11月1日
  • 社員数:1303名 (2016年12月31日現在・連結)
  • WEBhttps://www.sonynetwork.co.jp/

※上記事例に記載された社名・役職等の情報は取材当時のもので、閲覧時点には変更されている可能性があることをご了承ください。

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